超音波治療器の周波数1MHzと3MHzの違い【接骨院・整骨院向け選び方ガイド】2026年版

超音波治療器について「周波数って1MHzと3MHz、どっちを使えばいいの?」という疑問を感じたことがあるのではないでしょうか?

実は、周波数の選び方で超音波が届く深さが大きく変わるのです。「なんとなく1MHzを使っていた」という場合もありますが、症状によっては3MHzのほうが効率よくアプローチできるケースがあります。

この記事では、超音波治療器の周波数の違いを整理し、症状・部位別の選び方を具体的に解説します。

この記事を読めば、1MHzと3MHzを症状に合わせて正しく使い分けられるようになり、超音波治療器の効果を最大限に引き出せます。

【医療従事者向けの情報を掲載しています】 本記事で紹介している超音波治療器に関する情報は、柔道整復師、鍼灸師、医師などの医療関係者を対象に作成されたものです。一般の方に対する情報提供や特定の治療効果を保証するものではありませんのでご了承ください。

超音波治療器の周波数とは?基本をおさらい

この章では、周波数の基本についてお伝えします。
「周波数ってそもそもなに?」という疑問から整理していきましょう。意外とこの基本の理解が曖昧なまま使っているケースもあります。

周波数とは、1秒間に超音波が振動する回数のことです。単位はHz(ヘルツ)で、1MHz=100万回/秒、3MHz=300万回/秒の振動が発生します。

周波数が高くなるほど、振動は速くなりますが組織への浸透深度は浅くなります。反対に周波数が低いと振動がゆっくりですが、より深い部位まで届きます。この性質が、使い分けの根拠となります。
患者さまの症状や部位に合わせて周波数を切り替えて使用したい場合は、機種選定の時点で周波数の切り替えを確認しておくことが重要です。


1MHzと3MHzの違い:到達深度と熱産生を比較する

この章では、1MHzと3MHzの具体的な違いを、整骨院での実用視点から比較します。数字で理解することで、症状別の選択が格段に明確になります。

比較項目 1MHz 3MHz
到達深度(目安) 3〜5cm 1〜2cm
対応部位(例) 腰・肩・股関節・膝(深部筋・靭帯) 手首・足首・顔周辺(浅い腱・筋膜)
典型的な適応症状 慢性腰痛・変形性膝関節症・肩関節周囲炎・深部筋の慢性緊張 腱鞘炎・足底筋膜炎・アキレス腱周囲炎・手の小関節周囲
施術時の感覚 じんわりとした深部の温かさ 皮膚表面近くの温かさをより感じやすい

大事なのは「どちらが効果があるのか」ではなく「どちらが今の症状に合っているか」です。例えば、腰痛が原因で来院された患者さまに3MHzを使っても、超音波が目標の深さに届かず効果が半減する場合があります。
部位や症状に合わせて適切な周波数を使用して施術を行うことで、患者さまの満足度向上も期待できます。


症状・部位別:周波数の選び方ガイド

この章では、接骨院・整骨院でよく対応する症状ごとに、どちらの周波数がおすすめか具体的に示します。施術で使用する際の目安として活用してください。

1MHzが適している症状・部位

  • 慢性腰痛・腰部筋緊張:脊柱起立筋・腰方形筋などの深部筋へのアプローチに
  • 変形性膝関節症:膝関節周囲の滑膜・軟骨下骨レベルまで届かせるため
  • 肩関節周囲炎(五十肩):棘上筋・腱板周囲への深部アプローチ
  • 股関節周囲の慢性症状:梨状筋・深層外旋筋群など深い部位
  • 肉離れ回復期:大腿・下腿の深部筋繊維へのアプローチ

3MHzが適している症状・部位

  • 足底筋膜炎:足底腱膜は浅い位置にあり、3MHzが効率的
  • 腱鞘炎(橈骨茎状突起周囲・手指):浅い腱・腱鞘への集中アプローチ
  • アキレス腱周囲炎:腱の周囲組織は比較的浅い
  • 上腕骨外側上顆炎(テニス肘):総指伸筋起始部周辺
  • 顔面周囲・小関節:TMJ周囲・指の小関節など浅い部位

判断に迷ったときの考え方

「皮膚から何センチの深さを狙っているか」で判断すると選びやすくなります。
2cm以内なら3MHz、3cm以上なら1MHzが基本といわれています。カウンセリングや手技での施術で筋肉の深さを確認してから周波数を選ぶ習慣をつけると、判断が明確になります。


周波数と連続波・パルス波の組み合わせ方

周波数の選択だけでなく、連続波(CW)とパルス波(PW)の選択とも組み合わせることで、より細かい施術プロトコルが組めます。

組み合わせ 効果の特徴 適した状態
1MHz+連続波 深部への温熱効果 慢性腰痛・深部筋の慢性緊張
1MHz+パルス波 深部への機械的効果(熱産生抑制) 膝周囲の亜急性炎症・肉離れ回復期
3MHz+連続波 浅部への集中温熱効果 慢性的な腱鞘炎・浅い筋膜の緊張
3MHz+パルス波 浅部への機械的効果(低熱産生) 足底筋膜炎・アキレス腱周囲炎(亜急性期)

超音波治療器の使い方・施術の詳細については、超音波治療器の効果と使い方ガイド【【接骨院・整骨院向け完全ガイド】もあわせてご覧ください。


機種選定で確認すべき:周波数に関するチェックポイント

超音波治療器を新しく購入する場合、周波数に関して以下を確認しておきましょう。購入後に思っていた機能が使えないという失敗を防ぐことができます。

☑ 1MHz・3MHzの両方に切り替えられるか、どちらかのみ使えるか

☑周波数切り替えはワンタッチか、それとも複数の操作が必要か

☑現在使用中の機種の周波数は何MHzか(スペックシートで確認)

☑複数のヘッドが付属しているか(大ヘッド・小ヘッドで部位別対応)


よくある質問(FAQ)

Q1. 超音波治療器の周波数は必ず切り替えないといけませんか?
A.必須ではありませんが、1MHz固定の機種では腱鞘炎・足底筋膜炎など浅い症状へのアプローチが非効率になります。両対応機種だと施術の幅が広がります。
Q2. 1MHzを浅い部位に使っても問題ありませんか?
A.安全上の問題はありませんが、効率は低下します。超音波が浅い組織で吸収されずに深部まで通過してしまうため、浅い部位への集中的なアプローチには3MHzのほうが適しています。
Q3. 超音波治療器の選び方として、周波数以外に何を見ればいいですか?
A.連続波・パルス波の切替、出力強度の調整幅、ヘッドのサイズ(大・小)、アフターサービス体制などが重要なポイントです。
Q4. 3MHzは浅い部位にしか使えないのですか?
A.浅い部位への適用が得意ですが、強度を上げることで比較的深い部位にも一定のアプローチはできます。ただし1MHzほど深部への効率はよくないため、深部へのアプローチを目的とする場合は1MHzを選ぶほうが効率がよくおすすめです。

Q5. 超音波治療器の周波数は皮膚の厚さによって変えるべきですか?
A.皮膚の厚さより「目標組織(筋肉・腱・靭帯)の深さ」で判断することが基本です。筋肉が厚い患者さまの腰部なら深部筋まで届けるために1MHzが有効です。

まとめ:超音波治療器の周波数は「どの深さを狙うか」で選ぶ

  • 超音波治療器の周波数選択の基本:深部には1MHz・浅部には3MHz
  • 1MHzは腰・膝・肩など深い部位、3MHzは手首・足首・腱鞘など浅い部位に適する
  • 周波数と連続波/パルス波の組み合わせで、より細かい施術が組める
  • 整骨院での機種選定では1MHz・3MHz両対応機種が使いやすく施術の幅が広がる
  • 「皮膚から何センチの深さを狙うか」を意識することで、現場での判断が迷わなくなる

超音波治療器の周波数を正しく使い分けることが、同じ機器でより多くの患者さまに役立てる第一歩です。患者さまの症状や部位に合わせた選択を、ぜひ意識してみてください。

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記事について

執筆者:ダイヤ工業 メディカル部門スタッフ
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