円皮鍼の効果・選び方・使い方完全ガイド【鍼灸師・鍼灸院向け2026年版】|パイオネックス・ファロス・PinPoin

円皮鍼は、鍼灸院での施術後ケアや運動パフォーマンス向上の補助として幅広く活用されています。施術後に自宅に帰った後も貼り続けられるので、鍼灸院の差別化ツールとしても注目されています。

この記事では、円皮鍼の選び方と院内活用のポイントを解説します。

【医療従事者向けの情報を掲載しています】 本記事で紹介している鍼灸用品に関する情報は、鍼灸師や医師などの医療従事者を対象に作成されたものです。一般の方に対する情報提供や特定の施術効果を保証するものではありませんのでご了承ください。
なお、当サイトで取り扱う管理医療機器の鍼のご購入および施工は、「はり師免許(鍼灸師資格)」または「医師免許」をお持ちの方限定となります。あらかじめご了承ください。

1.円皮鍼とは?特徴とディスポ鍼との違い

円皮鍼(えんぴしん)は、非常に短い鍼を医療用テープに取り付けた形状の製品です。施術者が経穴(ツボ)や筋緊張部位に貼り付け、持続的な微小刺激を与えます。

管理医療機器に分類されている円皮鍼もあり、基本的には鍼灸師・医師の使用が認められています。

ディスポ鍼と何がちがうの?

鍼が非常に短く細いため、刺すときの痛みが少ないことが特徴です。また、通常の鍼治療は施術者が直接刺入・抜鍼まで行う一方、円皮鍼は施術で使用する以外に、鍼施術後に活用することがあります。

刺入深度が0.3mm〜1.7mm程度と浅いため、組織への侵襲が極めて少なく、皮膚上で安全に固定できる構造となっています。そのため、患者さまが日常生活(就寝・入浴・軽運動など)を送りながら、24時間継続した微小刺激を患部に与えられるのが最大のアドバンテージです。

円皮鍼が活躍する場面

- 施術後の持続ケア:鍼治療後、施術効果を持続させる目的で使用
- スポーツ・運動時のコンディション管理:アスリートや運動愛好家が運動前後に活用
- 慢性的な肩こり・腰部不快感への対応:デスクワーカーや立ち仕事の方への継続的なサポート
- 顔面・美容目的の施術補助:美容鍼の施術効果を持続させる補助として

2.円皮鍼の効果とメカニズム

なぜ円皮鍼の期待できる効果やメカニズムを答えられるようにしておくと、施術への信頼感の向上にもつながります。円皮鍼が身体に作用する主なメカニズムは以下の3つに整理できます。

① 軸反射による局所血流の改善

円皮鍼の微小な鍼刺激は、皮膚表面の受容器(触温覚受容器・痛覚受容器)を刺激します。この刺激は軸反射(Axon reflex)を誘導し、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)やサブスタンスPなどの血管拡張物質を放出させます。これにより、貼付部位周辺の毛細血管が拡張して局所の血流が増加し、蓄積した疲労物質や発痛物質の代謝・排出を促進します。

② ゲートコントロール理論による痛覚抑制

円皮鍼が皮膚に接触・固定されることで、太い触圧覚神経(Aβ繊維)から持続的な信号が脊髄へ送られます。脊髄後角において、痛みを伝える細い痛覚神経(C繊維)の信号伝達に対して抑制的に働くため、脳へ痛みの信号が伝わる手前で「ゲート」が閉じられます。これにより、慢性的な肩こりや腰部の不快感が軽減される環境を整えます。

③ 微小な持続刺激による筋緊張(トリガーポイント)の緩解

短時間で強い刺激を与えるディスポ鍼に対し、円皮鍼は「弱く長い刺激」を得意とします。肌に貼ったまま置くことで、過緊張を起こしている筋肉やトリガーポイントに対して、持続的に固有受容器(筋紡錘・腱器官)へアプローチします。これが反射的な筋収縮の抑制につながり、頑固な硬さや痛みの反発(揉み返し)を防ぎながら緩やかに緊張を和らげるサポートをします。

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3.円皮鍼の種類:サイズ・素材・形状の違い

鍼の長さによる分類

円皮鍼の鍼部分の長さは、主に0.3mm・0.6mm・0.9mm・1.2mm・1.5〜1.7mmのバリエーションがあります。

長さ 特徴 向いている部位・用途
0.3mm 最も浅い刺入。皮膚感覚が繊細な部位向け 顔面・耳介・鎖骨付近
0.6mm ビギナーの患者さまへの使用や浅い層へのアプローチに 手足のツボ・前腕
0.9mm 適度な刺激で、様々な部位に使用できる汎用性の高い長さ 肩部・腰部・下肢
1.2mm 持続的な違和感や悩みがある場所や筋肉の適度な厚みがある部位に 肩部・腰部・下肢
1.5~1.7mm 鍼が深部へ届き、深層の組織へしっかりとアプローチしたい場合や筋肉が厚い部位に 臀部・腿

選択の目安: 顔面・耳介は短め(0.3〜0.6mm)、体幹・四肢の筋肉量が多い部位は長め(0.9〜1.5mm)を使い分けるのがおすすめです。

テープの工夫

円皮鍼のテープ部分は、肌に優しく通気性の良い素材を使用することが多く、長時間の貼付でも肌への負担が少なく、剥がれにくい設計になっています。

また、テープに鍼がしっかりと固定されているので、使用中の脱落リスクを抑え、施術者も患者さまにも安定した使用をする工夫がされています。

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4.ダイヤ工業で取り扱う主な円皮鍼

PYONEX(パイオネックス):セイリン

パイオネックス(PYONEX)

セイリン株式会社が製造する円皮鍼の代表的ブランドです。テープの中央に鍼を樹脂でしっかりと固定する特殊な構造で、使用中の脱落リスクを抑えています。衛生面にも考慮し、鍼先やテープの粘着面に直接指先が触れることなく貼ることができます。

■特徴
- 国内の工場で一貫生産の高い品質
- 鍼の長さは0.3mm〜1.7mmまで長さ展開が豊富
- 衛生面に配慮した設計
- 肌に優しく通気性の良いテープで、長時間の貼付でも肌負担が少なく、剥がれにくい

■PYONEX(パイオネックス)の使い方
1.刺入部位の皮膚を消毒
アルコールなどで患部を清潔にします。

2.テープを支持体から剥がす
剥離紙を外し、鍼付きテープを取り出します。

3.鍼を刺入し施術を行います。
剥離紙(取り外し部)を付けたまま鍼を置き、貼付後に剥離紙を取り除いた後、テープ全体を押さえて貼付します。

PY-Zero(パイオネックス・ゼロ):鍼先がなく刺入しない接触タイプです。鍼部分が存在せず、粒の押圧刺激のみを活用するので、初めての来院者や、刺入に不安を感じる方へのトライアルとして活用することができます。

セイリン:PYONEX(パイオネックス)の詳細はこちら >
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ファロス円皮鍼:ファロス

ファロス独自の二重テープ構造を採用し、テープで鍼をしっかりと挟み込む構造です。鍼本体の安定感により、狙った経穴にピンポイントに刺しやすい操作性があります。

■特徴
- ファロス独自の二重テープ構造を採用
- 長さは厳選した4種類
- プレート側面にくぼみを施し、ピンセットを使用すれば衛生的な使用が可能
- テープ部分は肌にやさしいサージカルテープ(絆創膏)を使用

■ファロス円皮鍼の使い方
1.鍼を刺入する部位をアルコール綿等でよく清拭し、乾燥した後に使用してください。

2.商品を取り出し、剥離紙をはがします。

3.鍼がついたプレートを取り出し、テープを剝がします
 ピンセットを使うと、とりやすく衛生的です。
 プレート側面にある「くぼみ」から取ってください。

4.施術点へまっすぐ、垂直に貼付します。

ファロス:ファロス円皮鍼の確認はこちら>

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I'SSHIN円皮鍼 PinPoin(ピンポイン):いっしん

剥離紙にカラーを採用することで、カラーで長さを判別することができます。丸形かつ二重構造のテープで貼りやすく、鍼が外れにくい設計になっています。

■特徴
- カラー剥離紙で長さが判別しやすい
- ニーズに合わせて選べる4種類
- 丸形かつ二重構造のテープで、貼りやすく鍼が外れにくい
- テープ素材に「3Mマイクロポアテープ」を採用し、通気性が高く、肌負担を抑える

I'SSHIN円皮鍼 PinPoin(ピンポイン)の使い方
1.鍼を刺入する部位をアルコール綿等でよく清拭し、乾燥した後にご使用してください。

2.切り込みに沿って台紙の扇型の部分を一緒につまむと、クッション台から簡単に取り出すことができます。

いっしん:I'SSHIN円皮鍼 PinPoin(ピンポイン)の確認はこちら>

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5.部位別:円皮鍼を貼るツボの一例

円皮鍼を貼る場所(経穴・反応点)の選択は、施術の目的と患者さまの状態によって判断します。以下は代表的な施術目的に応じた考え方です。

肩こり・頸部の不快感へのアプローチ

頸肩部の緊張緩和をサポートするために活用される代表的な経穴

- 風池(ふうち):後頭部の髪の生え際、外後頭部の陥凹部。頸部の緊張・頭重感へのアプローチに
- 肩井(けんせい):肩峰と第7頸椎の中点。肩部の重だるさへのアプローチに
- 天柱(てんちゅう):後頸部の僧帽筋外縁、髪の生え際。頸部コリのアプローチに
- 肩外兪(けんがいゆ):肩甲骨内縁の筋緊張部位。広義の肩甲間部緊張への対応に

腰部の不快感へのアプローチ

- 腎兪(じんゆ):第2腰椎棘突起の外方1.5寸。慢性的な腰部への継続ケアに
- 大腸兪(だいちょうゆ):第4腰椎棘突起の外方1.5寸。仙腸関節付近の不快感へのアプローチに
- 次髎(じりょう):第2後仙骨孔部。仙骨・骨盤周囲のケアに

運動パフォーマンスへの活用

スポーツ選手や運動愛好家への活用では、筋肉の起始・停止部や、施術者がさわって確認した筋緊張の強い部位(アシスタントポイント)への貼付も有効です。

ポイント
- 運動前:筋肉の活動をサポートするアプローチ(起始部・筋腹)
- 運動後:疲労部位の回復サポートとして(筋腱移行部・筋緊張点)

顔面・美容目的の補助として

顔への施術に使用する以外に、美容鍼施術後の効果持続サポートとして、顔の経穴に短いタイプ(0.3mm)を貼付する場合もあります。顔に鍼を指すのが不安な方には、鍼先がなく刺入しない接触タイプを使用し、粒の圧迫によるアプローチがおすすめです。

6.施術現場で使える!患者さまへの説明トーク例

円皮鍼を施術に取り入れる際、患者さまへ事前に適切な解説を行うことで、継続利用にもつながります。現場でそのまま使える声かけスクリプト例を紹介します。

① 「鍼=痛い・怖そう」と不安に感じる患者さまへ

「今日お貼りする円皮鍼は、太さが髪の毛ほどの極細タイプで、長さも1ミリ未満と短いです。刺すというよりは『シールで固定して心地よい刺激を置く』感覚に近く、痛感はほとんどありませんよ。」

② 鍼が抜け落ちないか不安な患者さまへ

「鍼がしっかりと固定されている特殊な構造となっているので、使用中の抜け落ちるリスクが軽減されています。」

③ スポーツ選手・運動愛好家へコンディショニング提案

「練習や試合の前後に筋肉の負担が大きい部位へ貼っておくことで、運動中の余計な緊張を防ぎ、終わった後の疲労回復をスムーズに促すことができます。トップアスリートも本番前後のケアに活用している安全な方法です。」

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7.業務用コスト・仕入れ・在庫管理のポイント

円皮鍼は院内施術やオプションとして消費されることも多い鍼です。ランニングコストと在庫管理の最適化は院の利益率に直結します。

単価と月間消費量の目安

業務用パッケージの円皮鍼は、一般的に1箱(100本入り)で1,000円〜2,000円前後(1本あたり10円〜25円程度)といわれています。

コスパ良く効率的に運用する3つのコツ

1.よく使用するサイズを中心に仕入れ、他のサイズをサブ在庫にする
全サイズを大量に在庫すると有効期限切れのリスクが高まります。汎用性の高「0.9mm」やよく使用するサイズをメインとして、必要なときに使用できるよう他のサイズを必要最低限の箱数で維持するのが無駄がありません。

2.刺入不可の粒タイプ(PY-Zero等)をセルフケア物販用に常備する
PY-Zero等の接触タイプは指導付きで患者さまへお渡し・販売しやすい商品です。施術の補完だけでなく、院の自費・物販収益にもつながります。

また、テープに鍼がしっかりと固定されているので、使用中の脱落リスクを抑え、施術者も患者さまにも安定した使用をする工夫がされています。

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9.まとめ:円皮鍼選びのポイント

施術内での使用や、施術後の持続ケア、スポーツ・美容分野の施術補助まで、円皮鍼は鍼灸院の施術の幅を広げるアイテムですよね。
円皮鍼の効果やメカニズムを整理した上で、自院にあった円皮鍼を選べるようにしましょう。

チェック項目 選択のポイント
使用部位 顔面→短め(0.3mm)、体幹・四肢→標準〜長め(0.9mm〜)
来院者の状態 鍼初心者・鍼が苦手→マグレイン(粒タイプ)やPY-Zeroも検討
使用期間 運動・入浴あり→防水・高通気タイプを選択
目立ちにくさ 顔面・露出部位→透明・肌色テープタイプ
金属アレルギー チタン製粒や低アレルゲン素材の製品を確認


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📚 参考文献・出典

・ Melzack R, Wall PD. "Pain mechanisms: a new theory."
  Science, 150(3699), 971-979. (1965)(ゲートコントロール理論)

・公益社団法人 全日本鍼灸学会 臨床情報部 安全性委員会(編)
  「鍼灸安全対策ガイドライン2020年版(改訂第2版)」医歯薬出版

・ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)

記事について

執筆者:ダイヤ工業 メディカル部門スタッフ

ダイヤ工業公式Instagramhttps://www.instagram.com/daiyak_medical/

ダイヤ工業公式LINEアカウントhttps://line.me/R/ti/p/@ufc7127o


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よくあるご質問(Q&A)

Q. 円皮鍼とマグレインの違いは何ですか?
A. 円皮鍼は短い鍼が皮膚に刺さるタイプ、マグレインは鍼がなく金属粒の押圧刺激のみを活用するタイプです。鍼が苦手な方や耳介への使用にはマグレインなどの押圧刺激のみの粒鍼が使用されることがあります。
Q. 円皮鍼はどのサイズを選べばよいですか?
A. 顔面・耳介など繊細な部位は0.3〜0.6mm、肩部・腰部など筋肉量の多い部位は0.9〜1.5mmが目安と言われています。初めての患者さまには0.6mm前後の標準サイズから試すと良いでしょう。
Q. 円皮鍼を貼っている場合、入浴時はどうすればよいですか?
A. 基本的には入浴前に取り外し、入浴後に新しいものを貼ることをおすすめします。
Q. 円皮鍼を患者さまに販売することはできますか?
A. PYONEX(パイオネックス)、ファロス円皮鍼、I'SSHIN円皮鍼などの管理医療機器に分類されている商品の販売には、管理医療機器販売業届書が必要です。
※PY-Zero(パイオネックス・ゼロ)などの刺入しないタイプで、管理医療機器に分類されていない商品の販売は可能です。ただし、貼る場所の正確な位置や皮膚状態の確認は施術者の指導のもとで行うことが重要です。院内で適切に選定・指導したうえで提供することをおすすめします。
Q. 柔道整復師が円皮鍼を施術で使用することはできますか?
A. PYONEX(パイオネックス)、ファロス円皮鍼、I'SSHIN円皮鍼などの管理医療機器の円皮鍼を使用することはできません。鍼灸師・医師のみ使用が可能です。
Q. 業務用に買い置きした円皮鍼の保管方法はどうすればいいですか?
A. 水濡れ、直射日光、多温多湿及び化学物質で汚染される可能性のある場所を避けて保存し、使用期限を確認してください。
Q. 患者さまが円皮鍼を貼った場所に赤みやかぶれを訴えた場合はどう対応すればよいですか?
A. 鍼を貼った場所が発赤したり、かゆみを感ずるなど通常と異なる反応を示したり感じた場合は、直ちに剥がし、状態を確認して医師に相談するなどしてください。特にニッケル、クロム等のステンレス成分の金属アレルギーを持っている患者さまに対してはご使用しないでください。