円皮鍼は、鍼灸院での施術後ケアや運動パフォーマンス向上の補助として幅広く活用されています。施術後に自宅に帰った後も貼り続けられるので、鍼灸院の差別化ツールとしても注目されています。
この記事では、円皮鍼の選び方と院内活用のポイントを解説します。
なお、当サイトで取り扱う管理医療機器の鍼のご購入および施工は、「はり師免許(鍼灸師資格)」または「医師免許」をお持ちの方限定となります。あらかじめご了承ください。
1.円皮鍼とは?特徴とディスポ鍼との違い

円皮鍼は、非常に短い鍼を医療用テープに取り付けた形状の製品です。施術者が経穴(ツボ)や筋緊張部位に貼り付け、刺激を与えます。
管理医療機器に分類されている円皮鍼もあり、基本的には鍼灸師・医師の使用が認められています。
ディスポ鍼と何がちがうの?
鍼が非常に短く細いため、刺すときの痛みが少ないことが特徴です。また、通常の鍼治療は施術者が直接刺入・抜鍼まで行う一方、円皮鍼は施術で使用する以外に、鍼施術後に活用することがあります。
円皮鍼が活躍する場面
- 施術後の持続ケア:鍼治療後、施術効果を持続させる目的で使用
- スポーツ・運動時のコンディション管理:アスリートや運動愛好家が運動前後に活用
- 慢性的な肩こり・腰部不快感への対応:デスクワーカーや立ち仕事の方への継続的なサポート
-顔面・美容目的の施術補助:美容鍼の施術効果を持続させる補助として
2.円皮鍼の種類:サイズ・素材・形状の違い
鍼の長さによる分類
円皮鍼の鍼部分の長さは、主に0.3mm・0.6mm・0.9mm・1.2mm・1.5~1.7mmのバリエーションがあります。
| 長さ | 特徴 | 向いている部位・用途 |
|---|---|---|
| 0.3mm | 最も浅い刺入。皮膚感覚が繊細な部位向け | 顔面・耳介・鎖骨付近 |
| 0.6mm | ビギナーの患者さまへの使用や浅い層へのアプローチに | 手足のツボ・前腕 |
| 0.9mm | 適度な刺激で、様々な部位に使用できる汎用性の高い長さ | 肩部・腰部・下肢 |
| 1.2mm | 持続的な違和感や悩みがある場所や筋肉の適度な厚みがある部位に | 肩部・腰部・下肢 |
| 1.5~1.7mm | 鍼が深部へ届き、深層の組織へしっかりとアプローチしたい場合や筋肉が厚い部位に | 臀部・腿 |
選択の目安: 顔面・耳介は短め(0.3〜0.6mm)、体幹・四肢の筋肉量が多い部位は長め(0.9〜1.5mm)を使い分けるのがおすすめです。
テープの工夫
円皮鍼のテープ部分は、肌に優しく通気性の良い素材を使用することが多く、長時間の貼付でも肌への負担が少なく、剥がれにくい設計になっています。
また、テープに鍼がしっかりと固定されているので、使用中の脱落リスクを抑え、施術者も患者さまにも安定した使用をする工夫がされています。
3.ダイヤ工業で取り扱う主な円皮鍼
PYONEX(パイオネックス):セイリン

セイリン株式会社が製造する円皮鍼の代表的ブランドです。テープの中央に鍼を樹脂でしっかりと固定する特殊な構造で、使用中の脱落リスクを抑えています。衛生面にも考慮し、鍼先やテープの粘着面に直接指先が触れることなく貼ることができます。
特徴
- 国内の工場で一貫生産の高い品質
- 鍼の長さは0.3mm〜1.7mmまで長さ展開が豊富
- 衛生面に配慮した設計
- 肌に優しく通気性の良いテープで、長時間の貼付でも肌負担が少なく、剥がれにくい
※PY-Zero(パイオネックス・ゼロ):鍼先がなく刺入しない接触タイプです。鍼部分が存在せず、粒の押圧刺激のみを活用するので、初めての来院者や、刺入に不安を感じる方へのトライアルとして活用することができます。
セイリン:PYONEX(パイオネックス)の確認はこちら
セイリン:PY-Zero(パイオネックス・ゼロ)の確認はこちら
ファロス円皮鍼:ファロス

ファロス独自の二重テープ構造を採用し、テープで鍼をしっかりと挟み込む構造です。鍼本体の安定感により、狙った経穴にピンポイントに刺しやすい操作性があります。
特徴
- ファロス独自の二重テープ構造を採用
- 長さは厳選した4種類
- プレート側面にくぼみを施し、ピンセットを使用すれば衛生的な使用が可能
- テープ部分は肌にやさしいサージカルテープ(絆創膏)を使用
I'SSHIN円皮鍼 PinPoin(ピンポイン):いっしん

剥離紙にカラーを採用することで、カラーで長さを判別することができます。丸形かつ二重構造のテープで貼りやすく、鍼が外れにくい設計になっています。
特徴
- カラー剥離紙で長さが判別しやすい
- ニーズに合わせて選べる4種類
- 丸形かつ二重構造のテープで、貼りやすく鍼が外れにくい
- テープ素材に「3Mマイクロポアテープ」を採用し、通気性が高く、肌負担を抑える
いっしん:I'SSHIN円皮鍼 PinPoin(ピンポイン)の確認はこちら
4.部位別:円皮鍼を貼るツボの一例
円皮鍼を貼る場所(経穴・反応点)の選択は、施術の目的と患者さまの状態によって判断します。以下は代表的な施術目的に応じた考え方です。
肩こり・頸部の不快感へのアプローチ
頸肩部の緊張緩和をサポートするために活用される代表的な経穴
風池(ふうち):後頭部の髪の生え際、外後頭部の陥凹部。頸部の緊張・頭重感へのアプローチに
- 肩井(けんせい):肩峰と第7頸椎の中点。肩部の重だるさへのアプローチに
- 天柱(てんちゅう):後頸部の僧帽筋外縁、髪の生え際。頸部コリのアプローチに
- 肩外兪(けんがいゆ):肩甲骨内縁の筋緊張部位。広義の肩甲間部緊張への対応に

腰部の不快感へのアプローチ
・腎兪(じんゆ):第2腰椎棘突起の外方1.5寸。慢性的な腰部への継続ケアに
- 大腸兪(だいちょうゆ):第4腰椎棘突起の外方1.5寸。仙腸関節付近の不快感へのアプローチに
- 次髎(じりょう):第2後仙骨孔部。仙骨・骨盤周囲のケアに

運動パフォーマンスへの活用
スポーツ選手や運動愛好家への活用では、筋肉の起始・停止部や、施術者がさわって確認した筋緊張の強い部位(アシスタントポイント)への貼付も有効です。
ポイント
- 運動前:筋肉の活動をサポートするアプローチ(起始部・筋腹)
- 運動後:疲労部位の回復サポートとして(筋腱移行部・筋緊張点)
顔面・美容目的の補助として
顔への施術に使用する以外に、美容鍼施術後の効果持続サポートとして、顔の経穴に短いタイプ(0.3mm)を貼付する場合もあります。顔に鍼を指すのが不安な方には、鍼先がなく刺入しない接触タイプを使用し、粒の圧迫によるアプローチがおすすめです。
6.よくある質問(FAQ)
Q1. 円皮鍼とマグレインの違いは何ですか?
A. 円皮鍼は短い鍼が皮膚に刺さるタイプ、マグレインは鍼がなく金属粒の押圧刺激のみを活用するタイプです。鍼が苦手な方や耳介への使用にはマグレインなどの押圧刺激のみの粒鍼が使用されることがあります。
Q2. 円皮鍼はどのサイズを選べばよいですか?
A. 顔面・耳介など繊細な部位は0.3〜0.6mm、肩部・腰部など筋肉量の多い部位は0.9〜1.5mmが目安と言われています。初めての患者さまには0.6mm前後の標準サイズから試すと良いでしょう。
Q3 入浴時はどうすればよいですか?
A. 基本的には入浴前に取り外し、入浴後に新しいものを貼ることをおすすめします。
Q4. 患者さまに販売することはできますか?
A. PYONEX(パイオネックス)、ファロス円皮鍼、I'SSHIN円皮鍼などの管理医療機器に分類されている商品の販売には、管理医療機器販売業届書が必要です。
※PY-Zero(パイオネックス・ゼロ)などの刺入しないタイプで、管理医療機器に分類されていない商品の販売は可能です。ただし、貼る場所の正確な位置や皮膚状態の確認は施術者の指導のもとで行うことが重要です。院内で適切に選定・指導したうえで提供することをおすすめします。
Q5. 柔道整復師が円皮鍼を施術で使用することはできますか?
A.PYONEX(パイオネックス)、ファロス円皮鍼、I'SSHIN円皮鍼などの管理医療機器の円皮鍼を使用することはできません。鍼灸師・医師のみ使用が可能です。
7.まとめ:円皮鍼選びのポイント
| チェック項目 | 選択のポイント |
|---|---|
| 使用部位 | 顔面→短め(0.3mm)、体幹・四肢→標準〜長め(0.9mm〜) |
| 来院者の状態 | 鍼初心者・鍼が苦手→マグレイン(粒タイプ)も検討 |
| 使用期間 | 運動・入浴あり→防水タイプを選択 |
| 目立ちにくさ | 顔面・露出部位→透明・肌色テープタイプ |
| 金属アレルギー | チタン製粒や低アレルゲン素材の製品を確認 |
施術内での使用や、施術後の持続ケア、スポーツ・美容分野の施術補助まで、円皮鍼は鍼灸院の施術の幅を広げるアイテムですよね。
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記事について
執筆者:ダイヤ工業 メディカル部門スタッフ
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