物療機器購入に使える補助金・助成金解説ガイド|接骨院・整骨院向け【2026年版】

物療機器購入に使える補助金・助成金解説ガイド|接骨院・整骨院向け【2026年版】

超音波治療器やハイボルト治療器、干渉波治療器など、接骨院・整骨院向けの物療機器について、費用負担を抑えて購入したいと思うことはありませんか?
「院に新しい機器を導入したいけど費用が…」「整骨院の開業でまとまった設備が必要だけどどうすれば…」など、費用面で悩まれる先生も多いと思います。

そこで知っておきたいのが、国や自治体の制度である「整骨院で使える補助金・助成金」の活用です。

本記事では、2026年の最新情報をもとに、整骨院・接骨院が物療機器を購入する際に使える補助金・助成金の種類や、申請時の注意点まで詳しく解説します。

⚠ ご注意
補助金・助成金の内容は年度ごとに変更されます。申請前に必ず各制度の公式サイト・中小機構・都道府県の窓口で最新情報を確認してください。本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。
この記事でわかること
  • 接骨院・整骨院が物療機器購入に活用できる主要な補助金・助成金の種類
  • 各制度の対象・上限額・採択率の目安
  • 申請の流れと事前にやっておくべき準備
  • 補助金と一括購入を組み合わせる方法
  • 事業計画を立てる際のポイント

接骨院・整骨院が使える補助金・助成金の全体像

補助金・助成金は運営主体によって国・都道府県・市区町村の3つのレベルに分かれます。このうち、物療機器(設備投資)に使える主な制度は以下の3種類です。

制度名 主体 上限額(目安) 補助率 使いやすさ
業務改善助成金 国(厚生労働省) 30〜600万円 3/4〜9/10 ★★★★☆
小規模事業者持続化補助金 国(中小機構) 50〜250万円
(インボイス特例含む)
2/3 ★★★☆☆
都道府県・市区町村独自補助 地方自治体 10〜100万円(地域差大) 1/2〜2/3 ★★★★☆

スタッフを雇用している接骨院・整骨院で、比較的申請しやすい制度が「業務改善助成金」です。1人院は対象外になりますが、スタッフの賃上げと物療機器などの設備投資をセットにして申請を行います。
また、接骨院・整骨院は従業員が5人以下の個人院も多い傾向にあります。この場合は「小規模事業者」の定義に当てはまるため、「小規模事業者持続化補助金」の対象になります。従業員数が少ない院の場合は、こちらの補助金も選択肢として検討することができます。


業務改善助成金(賃上げと設備投資のセット)

制度の概要

業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者が「事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)」を一定額以上引き上げた上で、生産性向上に資する設備投資(物療機器の購入など)を行った場合に、その設備費用の一部を国がサポートしてくれる制度です。

「スタッフの給与を引き上げて処遇を改善したい」「同時に最新機器を導入して、業務の効率化や自費化に取り組みたい」という2つの希望を同時に実現できる点が大きな特徴です。

引き上げる賃金コース 助成上限額 助成率(国の補助割合) 特記事項
50円コース
(50円以上引き上げ)
30万〜130万円 3/4 〜 4/5
・1,050円未満:4/5
・1,050円以上:3/4
(引き上げ前の事業場内最低賃金による)
最低限の賃上げ幅で、手堅く小型機器を導入したい院向け
70円コース
(70円以上引き上げ)
40万〜300万円 積極的な賃上げを行い、中級モデルの物療機器を導入したい院向け
90円コース
(90円以上引き上げ)
90万〜600万円 高額な物療機器を複数台まとめて、または高機能なモデルを導入する院向け

💡 接骨院・整骨院での物療機器の購入における活用例

業務改善助成金では、手技中心だった施術ラインに機器を組み込むことで「施術時間の短縮(効率化)」や「スタッフの負担軽減(労働環境改善)」につながる計画が認められやすい傾向にあります。ぜひ参考にしてみてください。

  • ラジオ波治療器の購入: 慢性的なこりや冷えを訴える患者さまに対し、手技のみで30分かけていた施術の一部にラジオ波を導入。手技の負担を減らしつつ1人あたりの施術時間を短縮し、限られた時間内で院の生産性を高める計画。
  • 電磁パルス治療器(テスラインパクト)の購入: 患者さまが横になっているだけで筋組織にアプローチできる機器を導入。人手不足の院内でもベッド回転率と自費売上を最大化させる計画。
  • ハイボルト治療器・超音波治療器の購入: 急性外傷の初期アプローチやスポーツ障害に対し、ピンポイントで除痛や組織修復をサポートするプロトコルを構築。手技にかかる時間を抑えつつ、短時間で高い施術満足度を実現して業務効率を向上させる計画。

🔳 2026年情報(申請上の重要な注意点)

2026年現在も非常に人気の高い助成金ですが、持続化補助金とは異なり、「スタッフを1名以上雇用している院に限られる」という注意点があります。パートやアルバイトであっても雇用保険に加入しているスタッフがいれば対象になりますが、残念ながら院長が1人で運営している1人院は対象外となってしまいます。

また、2026年度からは、引き上げる対象労働者が「雇用保険被保険者(週所定労働時間が20時間以上かつ、雇入れ後6ヶ月以上を経過していること)」であることが必須条件として厳格化されました。

最低賃金の引き上げ額(50円・70円・90円)だけでなく「引き上げる対象となる労働者の人数」によっても受給できる上限額が細かく変動します。雇用契約書の巻き直しや就業規則の改定が必要になる場合もあるため、機器の購入に踏み切る前に、まずは管轄の労働局や社会保険労務士(社労士)の先生へ事前に相談を進めておくと非常にスムーズです。

2026年度は9月1日から申請開始となっており、締切は「各地域の最低賃金発効日の前日」または「11月末日」のいずれか早い日となっています。例年よりも募集期間が非常に短い「秋の短期集中型」となっているため、8月末までには導入したい機器の見積もりや事業計画を準備しておくことがおすすめです。


小規模事業者持続化補助金

制度の概要

小規模事業者が販路開拓や生産性向上のために行う取り組みを支援する制度です。接骨院・整骨院でいえば「自費メニュー導入のための機器購入」「新患獲得のための設備整備」などの目的で申請できます。

区分 補助上限 補助率 特記事項
通常枠 50万円 2/3 基本枠でほとんどの院が該当
賃金引上げ枠 200万円 2/3 最低賃金を引き上げる事業者向け
後継者支援枠 200万円 2/3 事業承継予定者向け

💡 整骨院での物療機器の購入における活用例

小規模事業者持続化補助金では、以下のような物療機器の購入費用が「設備投資費」として認められる可能性があります。ぜひ参考にしてみてください。

・ハイボルト治療器の購入: 急性外傷(ぎっくり腰や寝違えなど)に対する自費メニュー(例えば高電圧電気刺激メニューなど)を新設し、新しい層の患者さまを獲得する計画

・干渉波治療器の購入: 高齢者や中高年層の慢性腰痛、肩こりなどに対し、最新の機器へ入れ替えることで、施術効率の向上と院内環境の改善(生産性向上)に取り組む計画

・低周波治療器の購入: 訪問施術やスポーツ現場への帯同を強化するため、ポータブル型の低周波治療器を購入し、訪問施術の売上を拡大する計画

 🔳2026年情報(インボイス特例)
2026年7月現在も、免税事業者からインボイス発行事業者に転換した接骨院・整骨院であれば、一律で補助上限額が50万円上乗せ(通常枠なら50万円→100万円に拡大)される特例措置が続いています。該当する先生は確認しておくといいですね。


都道府県・市区町村の独自補助制度

国の補助金に比べて、意外と見落とされがちなのが、地方自治体(都道府県・市区町村)が独自に行っている補助金・助成金制度です。地域によっては「中小企業設備投資支援補助金」や「地域産業振興補助金」などの名称で、医療機器・施設設備の投資を対象にしているケースがあります。

・国の補助金と併用できる場合がある。(※同一の機器を重複して申請することは原則できませんが、別の機器の導入や、国の補助金でカバーしきれない事業計画の一部に併用できるケースがあります)

・ライバルが少なく採択率が比較的高い傾向にある。

・一部の自治体では「医療・福祉・健康分野の設備整備」に特化した独自の支援策を設けていることがある。

都道府県や市区町村ごとに制度や募集枠が全く異なるため、まずは院がある地域の産業振興課、中小企業支援センターのWebサイトをチェックしたり、地元の商工会議所・商工会へ直接相談して確認してみてください。
公募期間が数週間〜1ヶ月程度と非常に短いケースも多いため、日頃からこまめに情報を確認し、いざ募集が始まったらすぐに動けるよう早めに準備を進めておくことがおすすめです。


接骨院・整骨院の開業時に補助金を使う場合の「注意点」

「接骨院の開業資金として補助金を使いたいけどどうしたらいいかわからない…」という方も多いと思いますが、実は大きな注意点があります。

原則として、多くの補助金(持続化補助金など)は「すでに開業している(開業届を提出済みの)事業者」が対象となります。また、申請から採択(国からの承認が出る)までに3ヶ月〜半年ほどかかることも多いです。

そのため、開業に合わせて機器を購入したい場合は、以下のスケジュール感を意識することがおすすめです。

1.物件の契約や開業届の提出(事業の開始)

2.補助金の申請(物療機器はまだ買わない!)

3.採択通知が届く(約3ヶ月後)

4.ここでようやく低周波やハイボルトなどの物療機器を購入・納品

「オープン日に合わせてすべての機械を揃えてオープンしたい!」という場合もありますよね。ですが、開業前のタイミングでは補助金が使えないケースが多いので注意が必要です。開業後数ヶ月が経ってから、自費メニュー強化のために物療機器を追加購入するタイミングで補助金を申請するのが現実的な方法になります。


補助金申請の流れと準備のポイント

 

基本の申請ステップ(小規模事業者持続化補助金の場合)

  1. 商工会・商工会議所に相談(必須)
  2. 「経営計画書」「補助事業計画書」を作成
  3. 商工会等の支援確認書(様式4)を取得
  4. 公募期間内に「jGrants」で電子申請
  5. 採択通知を受けてから設備を発注・購入
  6. 事業完了後に「実績報告書を提出
  7. 補助金の交付(後払い)
⚠ 重要:補助金は後払いです
補助金は、採択後に「先に自己資金で機器を購入」し、実績報告を経て、後日指定の口座に入金されます。
購入前(国からの採択通知を受ける前)に機器を発注してしまうと、すべて補助対象外になってしまいます。発注や支払いのタイミングには細心の注意を払いましょう。

採択されやすい計画書のポイント

補助金の審査では、「事業の必要性と将来性」が厳しく確認されるといわれています。そのため、申請時に提出する計画書には、以下の3つのポイントを盛り込むと説得力がグッと上がります。

現状の課題を具体的に記載する
例えば「現在の干渉波治療器は○年前の機種で、1日の施術可能件数がX件に限られている。最新の機器を導入することで施術効率が向上し、患者さまの待ち時間短縮につながる」といったように、現状の課題とそれをどのように改善させたいか記載します。

導入後の具体的な数値目標を盛り込む
例えば「月間施術件数を○件から○件へ増加」「自費メニュー売上を月○万円向上」など、件数や人数、金額等の現実的な達成目標を数字で記載します。

地域への貢献を盛り込む
例えば「最新機器の導入により、地域の患者さまへの施術品質向上に取り組む」「来院数増加による売り上げ拡大を図り、スタッフ増員による地域雇用に貢献する」など、自院の発展がどう地域に還元されるかを盛り込めると、加点につながりやすいとされています。

補助金+一括購入の組み合わせが最もお得

補助金が採択された場合、リースではなく一括購入することが費用的にはおすすめです。実は、持続化補助金などはリース費用も対象にはなりますが、「補助事業の実施期間中(およそ数ヶ月間)に支払ったリース料」しか補助対象にならないという厳しいルールがあります。例えば5年契約のリースを組んでも、最初の数ヶ月分のリース料にしか補助率が適用されないため、結果的に受け取れる金額が大幅に少なくなってしまいます。

・補助金での一括購入の例:超音波治療器(80万円)を導入する場合 
一括購入をして小規模事業者持続化補助金(補助率2/3)が採択された場合、最大で約53万円が手元に戻ってきます。 実質27万円程度の自己負担で導入できる計算です。

機器購入の費用感については別記事の「物療機器の価格帯・費用ガイド」もあわせてご覧ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 1人で開業している接骨院・整骨院でも補助金・助成金は使えますか?
A. はい、スタッフを雇用していない「1人院(個人事業主)」であっても、小規模事業者持続化補助金は問題なく申請・受給できます。しかし、厚生労働省が管轄する「業務改善助成金」などの雇用関係の助成金は、スタッフを1名以上雇用し、最低賃金を引き上げることが条件となるため、1人院の場合は対象外となります。
Q2. 開院したばかりでも申請できますか?
A. 小規模事業者持続化補助金は創業から間もない接骨院・整骨院でも申請することができます。しかし、確定申告書の提出が求められる場合があり、開業直後は翌年以降に申請するケースもあるので注意が必要です。制度の詳細は商工会・商工会議所に確認してみましょう。
Q3. 中古の物療機器でも補助金の対象になりますか?
A. 原則として新品の設備が対象です。中古品は補助対象外になる場合がほとんどですが、制度によって異なるため、申請前に確認してください。
Q4. 補助金の申請は自分でできますか?専門家に頼む必要がありますか?
A. 比較的シンプルな計画書の場合は、商工会・商工会議所のサポートを受けながら自分で申請する院も多いです。
Q5. 採択されてから発注まで急ぐ必要がありますか?
A. 採択通知を受けてから実績報告の締め切りまでに事業を完了させる必要があります。製品の納期・補助事業期間の両方を確認した上で発注タイミングを決めるようにしましょう。ギリギリになると事業期間内に完了できなくなるリスクがあるので注意が必要です。

まとめ

接骨院・整骨院が物療機器を購入する際に使える主な補助金・助成金について整理します。
・接骨院・整骨院が申請しやすい補助金・助成金には「業務改善助成金」「小規模事業者持続化補助金」「地方自治体の独自補助」がある

「業務改善助成金」は1人院(スタッフを雇用していない院)は対象外になる

・補助金は後払い・採択後の発注が前提で、採択通知を受ける前に機器を発注してしまうと補助対象外になるので注意が必要

ダイヤ工業では各機器のデモ機の依頼から、補助金申請の情報提供、開業支援などを承っております。
「どんな物療機器の取り扱いがあるか知りたい」「デモ機を試してみたい」など、気になることがあればお気軽にお聞きください。

【補助金・助成金に関するご注意事項】 ダイヤ工業では、物療機器の導入に役立つ一般的な情報提供を行っておりますが、各補助金・助成金の申請資格の有無や具体的な手続き方法、採択可否に関する個別のご相談・お問合せにはお答えできかねます。
制度の詳細や申請に関するご相談につきましては、管轄の補助金事務局(センター)のほか、社会保険労務士、税理士、行政書士などの外部専門家へ直接お問い合わせいただきますようお願いいたします。


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記事について

執筆者:ダイヤ工業 メディカル部門スタッフ
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