接骨院・整骨院の物療機器を「昔から使っているから」「買い替えのタイミングがわからない」などの理由で使い続けている方も多いのではないでしょうか?
物療機器の機能は日々進化しており、さまざまな患者さまに対応できるようになってきています。また、療養費の適正化・厳格化が進む中で、物療機器を自費メニューで活用するケースも増えてきています。
この記事では、接骨院・整骨院向けの物療機器について種類・選び方・費用・補助金活用・自費収益化まで、知っておくべきことをすべてまとめました。
ぜひ機器選びの参考にしてみてください。
接骨院・整骨院の物療機器の特徴と使いどころ
この章では、接骨院・整骨院で主に使われる物療機器の種類と、それぞれが得意な場面を解説します。「どれが自院に合うか」を考えながら読んでみてください。

物療機器には大きく分けて7つのカテゴリがあります。同じ「電気治療」でも、周波数・出力・作用機序が異なるため、症状や目的によって使い分けることが患者さまへの施術品質を高めるポイントになります。
| 種類 | 主な用途 | 価格帯目安 |
|---|---|---|
| 超音波治療器 | 深部組織へのアプローチ | 60〜160万円 |
| 干渉波治療器 | 広範囲の筋肉へのアプローチ | 100〜340万円 |
| ハイボルト治療器 | 深部への高電圧刺激 | 16〜260万円 |
| 低周波治療器 | 筋肉刺激・血行促進 | 80〜250万円 |
| 温熱治療器 | 温熱による血行促進 | 50〜320万円 |
| 電気治療器(複合型) | 複数モード対応・汎用 | 100〜470万円 |
| 電磁パルス | 深部筋への電磁刺激 | 80〜300万円 |
| ポケットエコー(超音波画像診断) | 組織の視覚的評価 | 50〜190万円 |
①超音波治療器

超音波治療器は、音波を利用して皮膚表面から深部組織にアプローチできる物療機器です。1MHz(深部・3〜5cm)と3MHz(浅部・1〜2cm)の周波数を使い分けることで、肩関節周囲炎や腱の問題、スポーツ外傷後の組織回復サポートに広く活用されます。連続波(温熱効果)とパルス波(非温熱効果)を切り替えられる機種が主流です。
詳しい活用法や機種の選び方は、超音波治療器の効果と使い方ガイド【接骨院・整骨院スタッフ向け】をご参照ください。
②干渉波治療器

干渉波治療器は、2系統の中周波電流が体内で交差して生じる「干渉波」を利用した物療機器です。広範囲に心地よい刺激が届くため、患者さまに受け入れられやすく、施術時間中のリラクゼーション効果も高い機器です。腰痛・肩こり・下肢全般の広域アプローチに向いています。
③ハイボルト治療器

ハイボルト治療器は、高電圧(150V以上)の電流を短時間・低電流量で深部まで届ける物療機器です。外傷に伴う痛みの軽減サポート、神経系へのアプローチ、スポーツ現場での応急対応など、幅広い場面で使われています。近年、自費メニューの柱として導入する院も増えています。
スポーツ障害・スポーツ外傷への活用法についてはスポーツ障害・スポーツ外傷への物療機器ガイド【接骨院・整骨院向け】2026年版をご参照ください。
④低周波治療器

低周波治療器は、1〜1,000Hz程度の低周波電流で筋肉を直接収縮させます。慢性腰痛・筋力回復・体幹トレーニングサポートなど、幅広い用途があります。EMS(筋電気刺激)機能を持つ機種は、自費の筋力強化メニューと相性が良く、患者さまへの説明もしやすいのが特徴です。
⑤温熱治療器

温熱治療器は、施術前の温めや慢性症状のリラクゼーションに欠かせない存在です。導入費用が比較的低く、患者さまの「気持ちいい」を引き出しやすいため、初めて物療機器を導入する院にも向いています。
詳細は温熱治療器・ホットパック医療用おすすめ比較ガイドをご参照ください。
⑥電気治療器(複合型)

複合型治療器は、超音波と電気刺激、複合光線とハイボルテージなど、機能を組み合わせた機器です。1台で複数の施術アプローチができるため、導入コストを抑えながら複数の自費メニューを持ちたい院に向いています。高齢者から回復期の患者さままで幅広く使えるのも特徴です。
⑥電磁パルス・磁気治療器

電磁パルスは、磁場を使って皮膚・脂肪・骨まで非接触で深部にアプローチできる最新機器です。衣服の上からでも使用でき、患者さまへの負担が少ない点が特徴です。テスラインパクトをはじめとした機器が整骨院への普及を加速させています。
詳細は電磁パルス・磁気治療器の選び方ガイドをご参照ください。
⑦ポケットエコー(超音波画像診断装置)

ポケットエコーは、超音波画像診断装置の小型・ポータブル版です。筋・腱・靭帯の損傷評価、施術効果の客観的記録、患者さまへの視覚的な説明など、接骨院・整骨院の「見える施術」を実現するツールとして注目されています。
詳細は接骨院・整骨院向けポケットエコー導入ガイドをご参照ください。
院の目的・規模別 物療機器の選び方【接骨院・整骨院向け3ステップ】
この章では、「どの物療機器を選ぶべきか」を院の状況・目的・規模別に整理します。先生の院がどのフェーズにあるかを確認しながら読み進めてください。
物療機器選びで失敗する際に考えられる点は、「機器のスペックだけで選んでいる」ことです。実際のところ、どんなに高機能な機器でも、院のコンセプト・患者層・スタッフの技術習熟度と合っていなければ活用しきれないリスクがあります。
ステップ1:費用と目的を確認する
物療機器の導入費用は決して安いものではありません。機器の購入にかけられる費用を確認しながら、「物療機器を導入することでなにをしたいか」を明確にして機器を絞っていくことがおすすめです。
ステップ2:患者さま層との相性を確認する
院に来られる患者さまはどんな方が多いか、もしくは導入後にどんな患者さまを対象にするかを明確にすることも大切です。スポーツ系の若年層が多いのか、60代以上の慢性疼痛が多いか、美容目的の女性が多いかなどによって、選ぶべき物療機器は変わります。
・慢性腰痛・肩こり中心:温熱+干渉波が基本セット。低周波もあると体幹アプローチに使える
・スポーツ外傷中心:ハイボルト+超音波の組み合わせが強力。エコーがあると評価力が一気に上がる
・高齢者・骨折後のケア:温熱+電磁パルスで深層筋にアプローチできる
・産後・女性ターゲット:電磁パルス、ラジオ波で産後インナーマッスルへのアプローチや美容向けの自費メニューが組みやすい
ステップ3:スタッフの習熟度・院の運用体制を確認する
どんなに良い機器でも、使いこなせないと投資対効果を出すことはできないですよね。
1人院の場合、多機能機器より「使いやすさ優先」で選ぶのがおすすめです。スタッフが複数いるなら、担当者別に得意機器を作ることで施術の幅が広がります。
物療機器の接骨院・整骨院向け選び方の詳細な比較は、接骨院・整骨院で自費収益を上げる物療機器の選び方と使い方【収益化ガイド】で詳しく解説しています。
費用・価格帯ガイド|物療機器の初期費用と導入試算
この章では、物療機器の導入にかかるリアルな費用と、予算別の選び方を解説します。「予算がいくらあれば何ができるか」の目線で読んでみてください。
物療機器の価格は非常に幅広く、数十万円のエントリーモデルから数百万円のハイエンド機まであります。機能のほかにも、操作性はどうか、費用を回収できる計画が立てられるかを踏まえて選ぶことがおすすめです。
| 予算目安 | おすすめの構成 | 特徴 |
|---|---|---|
| 80万円前後 | コンパクトな低周波orシンプルなハイボルト | 開業時の最低限セット。保険施術対応 |
| 80〜150万円 | 超音波 or 多機能なハイボルト | 自費メニューの軸にできる |
| 200〜400万円 |
干渉波+電磁パルス or エコー |
差別化できる施術ラインナップが整う |
| 300万円以上 | ハイエンド複合機+エコー+電磁パルス |
幅広く活用できる充実した施術設備 |
また、物療機器はリース契約を活用することで初期費用を抑え、月々のキャッシュフローを安定させながら導入できます。一般的なリース期間は4〜6年で、月額コストと自費収益のバランスを試算してから判断することをおすすめします。
費用の詳細な比較・試算は物療機器の価格帯・費用ガイド|接骨院・整骨院向け予算別選び方で詳しく解説しています。
物療機器で自費収益を上げる実践ガイド
この章では、物療機器を自費収益化につなげる実践的な方法を解説します。せっかく購入したなら、患者さま満足度を向上させるほかしっかりと収益を上げられるようにしたいですよね。
自費収益化の3ステップ
ステップ1:メニュー化する
例えば「電磁パルス 初回4,000~8,000円」のように、機器を使ったメニューを言語化して価格をつける方法があります。保険施術ではアプローチできないところを補填するメニューとして提案することもおすすめです。
ステップ2:説明できるようにする
「なぜこの機器があなたに合うか」をわかりやすく説明できるようにしておきましょう。「深層筋に対して運動の50〜100倍の刺激を与えることで通常では鍛えにくい筋肉にアプローチします」程度の言葉で十分です。その機器でどんなことにアプローチできるのかを患者さまの症状に合わせて提案できるとよりわかりやすいですね。
ステップ3:体験から入る
初回は体験価格(500〜1,000円)で試してもらうと、その後の継続率が上がりやすい傾向があります。初回のハードルを下げながら、効果を実感してもらうことで継続しやすくなります。回数券やサブスクメニューを準備することもおおすすめです。
物療機器を活用した自費収益化の詳しい戦略は接骨院・整骨院で自費収益を上げる物療機器の選び方と使い方【収益化ガイド】をご覧ください。
スポーツ外傷・障害への物療機器活用法|部活・チーム帯同にも
この章では、スポーツ対応に特化した物療機器の選び方と活用事例を紹介します。スポーツ系の患者さまを増やしたい先生に特に読んでほしい内容です。
スポーツ外傷と慢性障害では、使うべき物療機器が変わります。先生の院にスポーツ選手・部活生が来ているなら、この違いを押さえておくことで施術の質が大きく変わります。
| 場面 | 主な症状 | 適した物療機器 |
|---|---|---|
| 急性外傷直後 | 外傷により熱・腫れをもっている場合 | マイクロカレント |
| 急性期 | 熱・腫れがない捻挫・打撲・挫傷 | ハイボルト |
| 亜急性期 | 腱・靭帯の組織回復サポート | 超音波(パルスモード) |
| 慢性障害 | 腱症・オーバーユース | 超音波(連続波)・干渉波・低周波 |
| 評価・記録 | 損傷評価・施術効果確認 | ポケットエコー |
| 帯同・フィールド | 試合中・練習中の応急対応 | ポータブルハイボルト・ポケットエコー |
スポーツ対応への物療機器活用の詳細はスポーツ障害・スポーツ外傷への物療機器ガイド【整骨院・接骨院向け】で詳しく解説しています。
電磁パルス・ポケットエコーの選び方
この章では、近年接骨院・整骨院での注目度が高まっている最新機器について、導入前に知っておくべきことをまとめます。
「最新機器を入れれば患者さまが増える」と思っていませんか?実際のところ、最新機器の導入はそれ自体が差別化にはなりますが、それだけで集患できるわけではありません。大切なのは「最新機器を活かせる施術コンセプト」を先に作ることです。
電磁パルスの選び方ポイント
・出力テスラ数:7T以上が深部へのアプローチに有利
・セッション時間:1セッション5〜20分が一般的。回転率を考えて設定する
・メーカーサポート:故障時の対応・研修体制を必ず確認する
電磁パルス・磁気治療器の詳しい比較は電磁パルス機器とEMSの違いと使い分け【接骨院・整骨院向け完全ガイド】2026年版活用法で確認できます。
ポケットエコーの選び方ポイント
・プローブ種類:リニアプローブ(筋・腱評価に適)が接骨院・整骨院では主流
・画像解像度:浅部の精細な評価には高周波(7.5MHz以上)が有利
・携帯性:スマートフォン連携型は帯同・訪問にも使いやすい
・保存・共有機能:施術記録のデジタル管理と患者さまへの画像説明に活用
ポケットエコーの詳しい選び方・活用法は接骨院・整骨院向けポケットエコー導入ガイドをご参照ください。
よくある質問(物療機器 整骨院向け)
Q1. 物療機器は接骨院・整骨院に何台必要ですか?
院のコンセプトやメニューにもよりますが、一般的なメニューでの施術体制なら「温熱+電気治療1台」がおすすめです。機器を活用した自費メニューを展開するなら3〜4種類の組み合わせが現実的です。患者さまの待ち時間を考えると、ベッド数に応じた台数設計も重要です。
Q2. 保険施術で物療機器を使うことはできますか?
はい、接骨院・整骨院では骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷の施術に物療機器を使用することができます。ただし、請求できる施術料の種類や点数には規定があります。自費施術として明確に区別することで収益の柱を増やすことが可能です。
Q3. 物療機器の消耗品コストはどのくらいかかりますか?
機器の種類によります。超音波治療器はジェル(月数千円〜1万円程度)、干渉波・低周波は電極パッド(種類・使用頻度によって月数千〜数万円)・スポンジが主なランニングコストです。
Q4. 物療機器で自費メニューを作るときの料金設定はどうすればいいですか?
機器の月額コスト(リース料+消耗品)を1ヶ月の施術回数で割ったコスト+技術料・時間価値を合算して設定します。相場は1回15〜20分で3,000〜5,000円が接骨院・整骨院の自費メニューとして受け入れられやすい価格帯です。
Q5. 物療機器の選び方で一番大事なことは何ですか?
「院のコンセプトと患者さま層に合っているかどうか」です。「この機器で誰のどんな悩みを解決するか」を明確にすることが重要です。その答えが出てから機器を選ぶと、導入後の使い方が変わります。
まとめ|物療機器は「選び方」より「使い方の設計」が収益を決める
この記事でお伝えしたことを整理します。
・物療機器には超音波・干渉波・ハイボルト・低周波・温熱・電磁パルス・ポケットエコーの7種類がある
・院のフェーズ・患者さま層・スタッフ体制に合わせて機器を選ぶことが導入後の満足度を高める
・費用は50万円〜300万円以上まで幅広く、リース活用でキャッシュフローを安定させる方法もある
・自費収益化はメニュー化→説明→体験の3ステップが効果的
・スポーツ対応では急性期・亜急性期・慢性期で使う機器を使い分けることが重要
・最新機器(電磁パルス・エコー)は「施術コンセプトの整備」が先決
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記事について
執筆者:ダイヤ工業 メディカル部門スタッフ
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